。 由良氏: まず僕からキャラクターの性格や経歴,ソウルキャリバーVで担った役目といったことを作曲家に伝え,アグ,それを元に作曲家がいくつかのスケッチ(曲の元となる短いフレーズ)を送ってきます。その繰り返しで,まずは打ち込みでのプリプロダクションを完成させました。それをゲームに乗せてみて,中鶴さんに判断してもらうという流れでしたね。 バトルの音楽には約束ごとがあって,最初の5,6秒がイントロで,Diablo3 Gold,その後の60秒以降がループになっています。約束ごとに合っていて,かつバトルのテーマに相応しいものということで,何度かリテイクを繰り返した楽曲もあります。 : なるほど。そうやって打ち込みでOKが出てから,オーケストラで録音という流れですね。 由良氏: はい。そういう具合に段階を踏んで制作していきました。 一番重要なのは,音楽と効果音が重なったときにどう聞こえるかという点なんです。とくにVでは,映画的なリアルな効果音と,アニメ的な派手な効果音の2種類を切り替えられるようになっているので,どちらと組み合わさっても違和感ないようにするために,けっこう悩みました。 : どちらとも調和がとれた音楽にするのは,並大抵のことじゃないですよね。 由良氏: 日本のゲームや映画サウンドの作り方って,メロディが主体なので,トレブルが高くハーシュ(歪んだ)な効果音にも耐えられるんです。一方,海外ではベースを土台にハーモニー,メロディと積み上げていくスタイルで,極端な話,メロディなんていらないぐらいなんですよね。でもそうして作った曲は,ハリウッド的な効果音にしかなじまないんですよ。 なので,楽曲のミックスダウンにはすごく頭を悩ませました。作業中はすごくジレンマを感じましたが,最終的にはアニメチックな効果音で映える方向に少し寄せています。 : アニメチックな効果音で映える方向というと,海外の作曲家の方達がとくに苦労されたのではないかと思うのですが……。 由良氏: INONとCRIS(VELASCO氏。代表作:「God of Warシリーズ」「Warhammer 40,000 Space Marine」など)は非常に苦戦していましたね。 ただそれは,効果音と合うかという部分よりも,「ソウルキャリバー」シリーズ独特の,“キャラクターのテーマ曲を作る”という部分に慣れていなかったのかもしれません。曲によっては8回ほどリテイクを出したものもありますし
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